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『しずかな日々』に、質実な暮らしと、その心強さを知る。

椰月美智子(やづきみちこ)著『しずかな日々』を読み始めると、なぜか涙があふれ出す手際です。

例えば、こんな一文。

「おじいさんと一緒に過ごした日々は今の僕にとっての唯一無二の帰る場所だ。だれもが子どもの頃に、あたりまえに過ごした安心できる時間。そんな時がぼくにもあったんだ、という自信が、きっとこれから先のぼくを勇気づけてくれるはずだ。」
(椰月美智子『しずかな日々』講談社文庫(2010年)P.12より引用)

全257ページ中、12ページ目にして早くも涙する手際。

主人公は生まれる前に父と死別。母とは小5で離別。小5からは祖父と暮らしはじめます。
『しずかな日々』は、そんな「えだいち」少年のひと夏の物語です。

小5で離別した母がその後、「独自の活動」で週刊誌をにぎわせ、一時期は「時の人」になったこと。そのあおりを受けて主人公が何度か転職を余儀なくされたことも、終わりに手短に語られます。

最後の一文です。

「人生は劇的ではない。ぼくはこれからも生きていく。」
(同上 P.257より引用)

もう、滂沱(ぼうだ)たる涙。



泣けるところを紹介しましたが、手際が手に取って何度も読んでいるのは、「泣ける」場面ではありません。
よく読むのは、おじいさんの言葉少なで質実な暮らしぶりが、次第にえだいち少年の心の支えとなっていくところです。

「ぼくの一日は、おじいさんが雨戸を開ける音からはじまる。」
(同上 P.100より引用)

「おじいさんの炊くご飯は絶品だ。お米にこんなに味があるなんて、大発見だった。甘くて、かめばかむほど味が出てくるのだ。」
(同上 P.113より引用)

「おじいさんのうちは井戸水だし、電気釜じゃなくてガス釜だからおいしいのかなと思った。味噌汁だって、ぼくが作るのおはまったくちがった。ぼくのお得意の市販のだしの素と、おじいさんのかつおこんぶだしでは、雲泥(うんでい)の差だった。」
(同上 P.113より引用)

炊飯土鍋

では、『しずかな日々』の質実な暮らし、4ステップです。

ステップ1 早起きする。

ステップ2 朝ごはんをしっかり食べる。

ステップ3 掃除する。

ステップ4 体操する。

手際がすすめたので家族も読んだのですが、どこで泣けるの?そんなに泣ける?という反応でした。
どこって、全編、そこかしこで泣けますが。(手際だけ?)

えだいちの親友、押野君もいい子です。

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1968年生まれ。会社員です。総務部で総務や経理の仕事をしています。

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