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資産寿命、健康寿命、生命寿命。女性には、資産寿命が切実。

 「生命寿命」、「健康寿命」、そして「資産寿命」。あなたは、この3つの寿命を聞いたことがありますか。

 まず「健康寿命」。これは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間をいいます。

 続いて「生命寿命」。これは、文字通りの寿命です。「健康寿命」と区別して、「生命寿命」としています。「生命寿命」と「健康寿命」が同じなら、そう、「ぴんぴんコロリ」です。なにか持病があったとしても、介護される期間は短いのが理想ですよね。

 そして「資産寿命」。老後資金が尽きるまでの期間が「資産寿命」です。手際は先日、朝のテレビニュースで初めて聞きました。番組では、証券会社のコメンテーターが長生きリスクに備える方法として、資産運用について説明していました。モデルケースは、夫60歳・妻54歳の夫退職時に、退職金の2,000万円と合わせて3,500万円の金融資産がある前提での試算。さすがにキャスターは、「3,500万円って意外とある方ですよね」とコメントしていました。年3%のリターンでの運用が、なんだか簡単なことに聞こえてしまうから不思議です。90歳時点でも、まだ、600万円の資金が残っている試算結果でした(インフレ率0.5%を前提)。
(参考:モーニングサテライト)http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/nms/micro/post_140283/

この「資産寿命」、実は、女性にとっては男性以上に切実な問題なのです。
 平成28年の厚労省の発表によると、日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳。同い年のご夫婦だったら、平均6.16歳は奥さんの方が長生きです。つまり、女性なら誰でも(死別、離別、そして結婚しなくても)、老後に独身になる可能性が高いといえます。
 しかも、65歳時点での女性の平均余命は24.38歳ですから、65歳まで生きている女性は、平均89.38歳まで生きるのです。90歳まで生きる、しかも最後は誰でも独身となれば、女性にとって「資産寿命」を考えておくことは大切です。
(参考)http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life16/dl/life16-04.pdf
(参考)http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life16/dl/life16-02.pdf

 ここまでを読んで、証券会社のコメンテーターの試算といい、女性の平均余命といい、「資産寿命」問題を前に、早くもお手上げ気分になっていませんか。まだ間に合いますから、ご安心ください。
 なぜなら、「資産寿命」を伸ばす方法は、資産運用だけではないからです。

 例えば、先日のテレビニュースの試算。前提は、夫が60歳で会社を退職し、その時妻は54歳、今後は年金収入のみで月に20~25万円の収入としていました。このケースで考えてみましょう。

 大きな会社は企業年金で60歳から年金が支給されるのでしょうか。それはさておき、まず、夫には60歳ではなく、65歳まで仕事を続けてもらいましょう。本人が希望すれば65歳まで、会社には定年後も引き続き雇用する義務(再雇用)があります(グループ会社で再雇用の場合もあります。)。再雇用となると一般的に収入は減りますが、雇用保険からの高年齢雇用継続給付金と合わせれば、収入をある程度確保できるはずです。
(参考)http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page09.html
(参考)https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/kounenrei.pdf

 それから、妻がまだ54歳です。仕事に就いてみてはどうでしょうか。妻が仕事をしても、夫の年金受給額にはそれほど影響ありません。所得税の扶養の判定基準とは異なるからです。加給年金の生計維持関係の条件は「同居」で年収850万円未満です。再就職でいきなり年収850万円は、なかなかもらえませんよ。もし年収850万円以上もらえるのなら、それはさらに結構なことですよね。
(参考)http://www.nenkin.go.jp/yougo/sagyo/20160824.html

 会社によっては、65歳といわず、もっと長く仕事ができることもあります。手際の会社には大先輩の女性社員がいて、75歳を超えてもなお、バリバリ仕事をしています。75歳を超えているとはいえ、会社から大いに頼りにされるような商品知識と技能を持っているのです。尊敬します。

 「資産寿命」を伸ばす方法は、仕事を長くすることだけではありません。収入と支出のバランス次第で、「資産寿命」は伸びたり縮んだりします。その意味で「資産寿命」は、人それぞれ、千差万別なものです。

年金手帳
(「資産寿命」、初耳でした。)

 では、「資産寿命」を伸ばす4ステップです。

ステップ1 「資産寿命」という考え方を知る。

 「資産寿命」とは、老後資金が尽きるまでの期間です。収入(年金収入と金融資産の取り崩し)と支出のバランスで決まります。

 まず、収入から。平成27年12月に公表された厚生労働省の公的年金の概況によると、平成26年の65歳以上の女性の平均年金月額は108,384円でした。
(参考)http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12509000-Nenkinkyoku-Chousashitsu/H26gaikyou.pdf#search=%27%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E5%B9%B4%E9%87%91%E5%8F%97%E7%B5%A6%E9%A1%8D%27

 一方支出は、平成29年2月に公表された総務省の家計調査によると、65歳以上の女性単身世帯の1ヵ月の平均消費支出は151,567円です。
(参考)http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001172984

 単純に、平均年金月額と平均消費支出月額とを比べると、その差は月に43,183円です。この月43,183円を90歳までの25年間、毎月預貯金などの金融資産から取り崩す必要があります。43,183円×12ヶ月×25年=12,954,900円ですから、65歳の時点で約1,300万円の金融資産が用意できていれば、その後は年金収入だけになっても、「資産寿命」は90歳です。

 ただし、今の例は単に平均で計算しただけです。女性の場合は、夫が会社員なのか自営業なのか、死別なら遺族年金の支給が、離別なら年金分割が、ずっと独身でも会社員だったのか、公務員だったのか、フリーランスだったのか、人により受給する年金の額がずいぶん違います。
 しかも、年金収入だけでなく、預貯金などの金融資産の取り崩しがどのくらい可能なのかでも変わります。
 支出にしても、総務省の家計調査では持ち家率が84%です。持ち家でなければ、住居費分としてもっと多くの支出を見込まなければなりません。

 「資産寿命」の考え方がイメージでき、人それぞれ違うことがわかったらステップ1は完了です。

ステップ2 自分の「資産寿命」を考えてみる。

 年金収入が月にどのくらいになるのかは、年金定期便や年金ネットなどで調べれば、ある程度わかります。
 毎月の支出については、ごく簡単なものでも家計簿があるとつかめます。
 毎月の収入と支出との差を12倍し(1年分にする)、それを25倍すれば(25年分にする)、65歳の時点で、90歳まで「資産寿命」を伸ばすのに預貯金などの金融資産がいくら必要なのか、金額がつかめます。

 理想をいえば、病気や家の手入れに使う予備のお金も用意したいところです。それから、90歳どころか100歳まで「資産寿命」を伸ばせればさらに安心です。
 
ステップ3 入るを量り出ずるを制する。
 
 まず、仕事をしている間は節税(税金の節約)をします。モットーは、「まず自分に支払う」です。iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)に加入しましょう。資産運用するのなら、NISA口座にしましょう。
 そして、節約です。例えば、毎月の支出を1万円減らせれば、65歳の時点で必要な金融資産を300万円減らすことができます(10,000円×12か月×25年=300万円)。しかも、浮いた1万円を貯蓄にまわせば、いま50歳だとしても、65歳までに180万円貯蓄を増やすことができます。月1万円の節約の「資産寿命」延命効果は、しめて480万円です。

 それから、仕事をしていないのなら、なにか仕事をするのがおすすめです。(パートタイムでもフルタイムでも)再就職をしてもいいですし、別に会社勤めでなくても、何か特技をいかせるといいですね。(再就職をお考えなら、こちらの記事をどうぞ。)
 もし、会社員なら60歳が定年でも、65歳まで会社に再雇用をお願いすることにしましょう。
 現在仕事に就いているのなら、仕事に最善を尽くします(残業をたくさんするという意味ではありませんよ。念のため。)。もしかしたら、希望すれば65歳以降も仕事が続けられるかもしれません。

ステップ4 変化を恐れない。

 ステップ1からステップ3で、今、できることをスタートさせます。漠然と不安に思ってたかもしれませんが、「資産寿命」が分かってくるにつれ、いろいろ準備するためのアイデアがわいてきませんか。

 アイデアがわいたら、変化を恐れずに是非、行動に移してみてください。
 それから、急病や災害などアクシデントに見舞われても、変化をおそれず臨機応変に。落ち着いたら、またプランを練り直します。

 毎日が精いっぱいで、「資産寿命」を考えるのは、ついつい先延ばししてしまいがちです。けれども、少し手を付けておくだけで、自分の目に飛び込んでくる情報が変わってきます。ステップ1からステップ4まで、一気に全部を済ませなくても、できることから始めてみてください。きっと、安心老後が近づいてきます。

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1968年生まれ。会社員(ワーキングマザー)です。

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