宅浪のサクラ、高知大学に再挑戦を誓う。
- 2018/04/30
- 14:00
今年、友人のお子さんであるサクラさんの勉強をみている手際です。サクラさんは、奈良教育大学の伝統文化教育専攻・文化遺産教育専修を受験するつもりで自宅浪人(宅浪)を選びました。
ところが、ここ数週間は、志望校をめぐって揺れ動く日々を過ごしていました。ついに先週、奈良教の受験をやめる決断をしました。
そして、今週、サクラさんは現役時に志望した高知大学農林海洋科学部の再挑戦を決意しました。
奈良教受験を取りやめると決めてからこの1週間、新たな志望校について、友人(サクラさんのお母さん)、サクラさんと手際との間で、ラインのやり取りを続けてきました。
高知大農林海洋科学部前期試験の受験科目は、センターで数学、理科、外国語の3教科、二次試験で小論文です。
私立大だと、農学部系は数学ではなく国語でも受験できる学校がたくさんあります。反面、数学で受けるとなると、数学にABが必用です。
国立の高知大、数学は「数Ⅰ・数Ⅱ」だけで受験ができます。
公立でも福井県立大なら、英語と理科のみで数学は課されません。ただし、福井県立大は二次試験が英語と数学です。記述試験の準備も必要です。センターだけ受けるのとは、使う問題集そのものを変えたり、同じ問題集でも使い方が変わってきます。模擬試験はマーク模試だけでなく、記述模試も受けることになるでしょう。
「数Ⅰ」・「数Ⅱ」でこのままいくか、「数Ⅰ・A」・「数Ⅱ・B」に切り替えるのか。
それとも志望校を高知大から福井県立大に変えて、受験科目から「数学」を外し、私立大の受験科目を「国語」にするのか。
はたまた、「数学」だけでなく「国語」も受験科目に加えるのか。
現役時代のセンターの得点では、サクラさんが数Ⅱ・Bに苦戦している様子なだけに迷いました。

(高知といえば、桂浜。)
そして、迎えた土曜。3人がサクラさんの部屋で顔を合わせました。
地元の私立大を推す友人:高知大に行ったら、サクラ、高知に行ったきりになっちゃうんじゃないの?将来、サクラの子育てにしろお母さんの老後にしろ、サクラがお母さんの近くに居る方がいいんだってば!!高知は国立で学費が安いけど、なにしろ遠いし、生活費まで考えたら地元私立とそんなに大きく違わないよ。
自宅から遠く離れた高知大を受けたいサクラさん:子育てもなにも、サクラ、結婚するつもりないし。 お母さんの老後って言うなら、サクラだけじゃなくて、お父さんも○○も△△も(弟たち)いるでしょ。あぁそうだ、そこ(家の近所)の施設だっていいじゃん。(もう、売り言葉に買い言葉状態。)高知大は寮もあるから、生活費だってきっと安いよ。
受験科目が気になる手際:それよりサクラちゃん、数学と国語だったらどっちを選ぶ?それから、「なにがなんでも高知大」なの、それとも「地元私立大もいいけど、できれば高知大」なの?
サクラさんは「なにがなんでも、絶対、誰に何を言われようと高知大」に行きたいということでした。数学で受験する意志も変わりません。
そこで、高知大の受験は、数学で「数Ⅰ」と「数Ⅱ」を選び、理科で「生物」を選ぶことにしました。
河合のマーク模試では、「英語(リスニングあり)」、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「生物」そして、「国語(解くのは現国と古文のみ。漢文は解かない。)」を受験します。国語はぶっつけ本番・出たとこ勝負です。
なお、河合の記述模試は受験を見合わせました。
手際が志望校と科目選びを殊更(ことさら)気にしているのは、「ランチェスター戦略」が念頭にあるからです。
ランチェスター戦略、それは、弱者が強者に勝つための戦略で、会社経営の戦略論の一つです。差別化、つまり他の人とは違うことを選び、その選んだことだけに集中し、自分の強みを伸ばして強者と戦う戦略です。
ビジネスの販売戦略・競争戦略なのですが、仕事以外の分野にも活かせます。
高知大学農林海洋科学部の受験生は、センター試験全体の傾向と同様、「数Ⅰ・A」「数Ⅱ・B」の受験者が圧倒的に多いと思われます。センター試験の全受験者数で見る限り、「数Ⅰ」の受験者は「数Ⅰ・A」の約1/68(「数Ⅰ」5,877人に対して「数Ⅰ・A」396,479人)、「数Ⅱ」の受験者は「数Ⅱ・B」の約1/61(「数Ⅱ」5,764人に対して「数Ⅱ・B」353,423人)しかいないからです(参考:大学入試センターのサイトはこちら)。
もちろん、「数Ⅰ」「数Ⅱ」だけしか受けないと、受験できる学校の選択肢は狭まります。後から志望校を変えることが難しくなったり、併願校が限定されるリスクがあります。
「数Ⅱ・B」に不安のあるサクラさんですから、高知大が「数Ⅰ」・「数Ⅱ」で受験可能な点を最大限に活かし、「数Ⅰ」・「数Ⅱ」で勝負することにしました。時間の自由が利くことが、宅浪の強みですから、「数A」・「数B」に取られる時間を「数Ⅰ」・「数Ⅱ」に回します。
ランチェスター戦略については、こちらの本をどうぞ(ビジネス書です)。
紆余曲折を経て高知大に再挑戦を誓ったサクラさん。政経の勉強や図版問題の小論対策、実技の指導者探しに貴重な時間を費やしてしまった感は否めません。しかし、実際に行動してみて、はじめてわかることがあるものです。何もしないで「あの時、別の道を目指していれば」と後悔するよりも、何倍も良かったと手際は思います。迷った時間もサクラさんにとって、決して無駄な時間ではありません。
帰り際、サクラさんの家のリビングに、高校時代の作品(絵ではありません)が飾られているのが目に留まりました。素人目にも立派な作品で、圧倒されるスケールです。高3まで全国レベルで活躍していたサクラさん。1つのことに打ち込み、充実した高校時代を過ごしたのでしょう。手際は確信しています。その頑張りがあれば、受験でもきっと満足のいく結果を残せると。

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ところが、ここ数週間は、志望校をめぐって揺れ動く日々を過ごしていました。ついに先週、奈良教の受験をやめる決断をしました。
そして、今週、サクラさんは現役時に志望した高知大学農林海洋科学部の再挑戦を決意しました。
奈良教受験を取りやめると決めてからこの1週間、新たな志望校について、友人(サクラさんのお母さん)、サクラさんと手際との間で、ラインのやり取りを続けてきました。
高知大農林海洋科学部前期試験の受験科目は、センターで数学、理科、外国語の3教科、二次試験で小論文です。
私立大だと、農学部系は数学ではなく国語でも受験できる学校がたくさんあります。反面、数学で受けるとなると、数学にABが必用です。
国立の高知大、数学は「数Ⅰ・数Ⅱ」だけで受験ができます。
公立でも福井県立大なら、英語と理科のみで数学は課されません。ただし、福井県立大は二次試験が英語と数学です。記述試験の準備も必要です。センターだけ受けるのとは、使う問題集そのものを変えたり、同じ問題集でも使い方が変わってきます。模擬試験はマーク模試だけでなく、記述模試も受けることになるでしょう。
「数Ⅰ」・「数Ⅱ」でこのままいくか、「数Ⅰ・A」・「数Ⅱ・B」に切り替えるのか。
それとも志望校を高知大から福井県立大に変えて、受験科目から「数学」を外し、私立大の受験科目を「国語」にするのか。
はたまた、「数学」だけでなく「国語」も受験科目に加えるのか。
現役時代のセンターの得点では、サクラさんが数Ⅱ・Bに苦戦している様子なだけに迷いました。

(高知といえば、桂浜。)
そして、迎えた土曜。3人がサクラさんの部屋で顔を合わせました。
地元の私立大を推す友人:高知大に行ったら、サクラ、高知に行ったきりになっちゃうんじゃないの?将来、サクラの子育てにしろお母さんの老後にしろ、サクラがお母さんの近くに居る方がいいんだってば!!高知は国立で学費が安いけど、なにしろ遠いし、生活費まで考えたら地元私立とそんなに大きく違わないよ。
自宅から遠く離れた高知大を受けたいサクラさん:子育てもなにも、サクラ、結婚するつもりないし。 お母さんの老後って言うなら、サクラだけじゃなくて、お父さんも○○も△△も(弟たち)いるでしょ。あぁそうだ、そこ(家の近所)の施設だっていいじゃん。(もう、売り言葉に買い言葉状態。)高知大は寮もあるから、生活費だってきっと安いよ。
受験科目が気になる手際:それよりサクラちゃん、数学と国語だったらどっちを選ぶ?それから、「なにがなんでも高知大」なの、それとも「地元私立大もいいけど、できれば高知大」なの?
サクラさんは「なにがなんでも、絶対、誰に何を言われようと高知大」に行きたいということでした。数学で受験する意志も変わりません。
そこで、高知大の受験は、数学で「数Ⅰ」と「数Ⅱ」を選び、理科で「生物」を選ぶことにしました。
河合のマーク模試では、「英語(リスニングあり)」、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「生物」そして、「国語(解くのは現国と古文のみ。漢文は解かない。)」を受験します。国語はぶっつけ本番・出たとこ勝負です。
なお、河合の記述模試は受験を見合わせました。
手際が志望校と科目選びを殊更(ことさら)気にしているのは、「ランチェスター戦略」が念頭にあるからです。
ランチェスター戦略、それは、弱者が強者に勝つための戦略で、会社経営の戦略論の一つです。差別化、つまり他の人とは違うことを選び、その選んだことだけに集中し、自分の強みを伸ばして強者と戦う戦略です。
ビジネスの販売戦略・競争戦略なのですが、仕事以外の分野にも活かせます。
高知大学農林海洋科学部の受験生は、センター試験全体の傾向と同様、「数Ⅰ・A」「数Ⅱ・B」の受験者が圧倒的に多いと思われます。センター試験の全受験者数で見る限り、「数Ⅰ」の受験者は「数Ⅰ・A」の約1/68(「数Ⅰ」5,877人に対して「数Ⅰ・A」396,479人)、「数Ⅱ」の受験者は「数Ⅱ・B」の約1/61(「数Ⅱ」5,764人に対して「数Ⅱ・B」353,423人)しかいないからです(参考:大学入試センターのサイトはこちら)。
もちろん、「数Ⅰ」「数Ⅱ」だけしか受けないと、受験できる学校の選択肢は狭まります。後から志望校を変えることが難しくなったり、併願校が限定されるリスクがあります。
「数Ⅱ・B」に不安のあるサクラさんですから、高知大が「数Ⅰ」・「数Ⅱ」で受験可能な点を最大限に活かし、「数Ⅰ」・「数Ⅱ」で勝負することにしました。時間の自由が利くことが、宅浪の強みですから、「数A」・「数B」に取られる時間を「数Ⅰ」・「数Ⅱ」に回します。
ランチェスター戦略については、こちらの本をどうぞ(ビジネス書です)。
紆余曲折を経て高知大に再挑戦を誓ったサクラさん。政経の勉強や図版問題の小論対策、実技の指導者探しに貴重な時間を費やしてしまった感は否めません。しかし、実際に行動してみて、はじめてわかることがあるものです。何もしないで「あの時、別の道を目指していれば」と後悔するよりも、何倍も良かったと手際は思います。迷った時間もサクラさんにとって、決して無駄な時間ではありません。
帰り際、サクラさんの家のリビングに、高校時代の作品(絵ではありません)が飾られているのが目に留まりました。素人目にも立派な作品で、圧倒されるスケールです。高3まで全国レベルで活躍していたサクラさん。1つのことに打ち込み、充実した高校時代を過ごしたのでしょう。手際は確信しています。その頑張りがあれば、受験でもきっと満足のいく結果を残せると。

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